校長あいさつ
校長あいさつ 校 長 神 田 剛 広
「自分の課題を求め、自分の答えを求める」
さいたま市立浦和中学校は、県内屈指の伝統ある進学校「さいたま市立浦和高等学校」(昭和十五年創設)を併設型中高一貫校とするため、平成十九年に開設された、さいたま市が誇る中学校です。
現代の社会はグローバル化が加速し、価値観が共通化されてきました。何かに取り組んだ時には、その成果を明確な数字で示すことで、社会から評価されます。評価を得るまでの取り組みでは、ときには、目指す目標が自分の興味や関心を持ちにくいことがあります。それでも意欲を高めて取り組み、成果を上げることで、評価が得られます。しかし、興味関心が強くなければ、納得や満足感は薄いでしょう。価値観が共通化されていく社会では、評価を得るためには、この柔軟性が必要です。しかし、心からの満足や達成感を手にするためには、「どうしてもやってみたいこと」や「行きついてみたい目標」、つまり、自分自身の本当の課題は何かを十分に考え、その解決に向けて努力を重ね、自分のペースで課題に取り組み、答えを得る。そのような探求的な取り組みを続けることが効果的です。
山登りに例えるなら、行動する前に、その山全体を眺め、なぜ、その山頂に立ちたいのか、その山頂に立つことは良いことなのか、その頂上を目指すべきは自分自身なのか。これらを徹底的に考えます。そうして山頂を目指す決意をしてから登り始めるのですが、その方法は、歩きなれた人の誘導で踏み固められた登山道を上がるのではなく、進むコースがはっきりしない斜面を、簡単なメモのような図と方位磁針だけを頼りに、自分一人で、一歩一歩、足を運ぶような進み方です。こうして、いよいよ山頂にたどり着いたなら、そこからの景色は、その素晴らしさに気づかない人にとっては特徴のない景色であったとしても、山頂に立った本人にとっては、心から満足できる、とても幸せな、忘れることのない素晴らしい景色となるでしょう。そして、この時に目にした眺め(答え)は、本人の体にしっかりと記憶され、やがては自分自身への強い信頼となるでしょう。
グローバル化が進む社会で活躍するための柔軟さと、自分の課題と答えを追い続ける探究心。この力の育成方法を改めて模索しながら、本校の魅力ある教育課程のさらなる発展に努めてまいります。在校生や入学を希望される皆様には、楽しく規律ある本校の授業や部活動、学校行事に、やさしい先輩後輩や同級生と共に取り組み、自分の個性を伸ばし、興味関心を高め、浦和中の生徒としての誇りを胸に、現在の自分を磨き、輝く未来、「目にしてみたい眺め」を求め、決してあきらめることなく歩みを進めることを期待します。
市立浦和「目指す学校像」
浦和中学校の教育目標「高い知性と豊かな感性・表現力を備えた国際社会に貢献できる生徒の育成」と浦和高等学校の教育目標「高い知性と豊かな人間性・社会性を兼ね備え、国際社会に貢献する高い志を持った人材を育成する」を相互に連携・充実・発展させ、中高の教職員が一体となって、教育活動に取り組んでまいります。